あらい内科クリニック板橋仲町

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肝炎

Medical

肝炎

症状
  • 急性肝炎では全身のだるさ、疲れやすさ、食欲の低下、吐き気、発熱、黄疸(目や尿が黄色くなる)、皮膚のかゆみなどの症状が出ることがあります。
  • 一方、慢性肝炎では症状が出にくいものの、肝臓に炎症が生じた状態が長期間続くと肝硬変や肝臓がんに進行することがあります。 肝硬変に進行すると黄疸や足のむくみ、腹水がたまることによるお腹の張りが現れることがあります。
原因と疾患
〈ウイルス感染〉
  • A型肝炎ウイルス
    肝炎ウイルスに侵されたカキなどの魚介類、水などが口に入り急性肝炎を起こします(A型肝炎)。
  • E型肝炎ウイルス
    肝炎ウイルスに侵されたイノシシなどの生肉が口に入り感染し、急性肝炎を引き起こします(E型肝炎)。
  • B型肝炎ウイルス
    血液や体液を介して感染します。
    主に成人が感染した場合、急性肝炎を起こします。
    多くは自然に回復しますが、1~2%で劇症肝炎となり命に関わる可能性があります。
    母子感染(B型肝炎ウイルスに感染した母親から産まれる際に感染)や3歳以下の幼少期に感染した場合は持続感染が起こりやすいと言われています。
    80~90%の方は肝機能が正常で特別な症状が認められない無症候性キャリアとなります。
    10~20%の方は炎症が続く慢性肝炎となり、さらに肝硬変や肝細胞がんに進行することがあります。
  • C型肝炎ウイルス
    血液や体液を介して感染します。感染すると約30%の方はウイルスが体内から自然に排除されますが、残りの70%の方は感染が持続し、慢性肝炎となります。慢性肝炎から肝硬変や肝細胞がんに進行することがあります。

その他にもEBウイルス、サイトメガロウイルスの感染により発熱や倦怠感、関節痛や筋肉痛など風邪のような症状に急性肝炎を合併することがあります。

〈アルコール〉

アルコールを大量に摂取すると肝臓に脂肪が蓄積され、炎症が引き起こされることがあります(アルコール関連肝疾患ALD)。
長期にわたり大量のアルコールを飲み続けると肝硬変や肝細胞がんに進行することがあります。

〈生活習慣の乱れ〉

大量に飲酒をしない場合でも、食生活の乱れや運動不足など生活習慣の乱れにより肝臓に脂肪が多くたまり(脂肪肝)、炎症が引き起こされることがあります(脂肪性肝疾患SLD)。

脂肪肝に加え、過体重や高血圧、糖尿病、脂質異常症などがある場合、飲酒量の違いによりMASLD代謝性機能障害関連脂肪性肝疾患:無~少量飲酒)とMetALD代謝機能障害アルコール関連肝疾患:中等度飲酒)と診断します。
MASLD、MetALDでは肝硬変や肝細胞がんへの進行だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの心血管系疾患のリスクが高まるため注意が必要です。

※これまでは飲酒に関連していないことから「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」やNAFLDより肝臓の炎症や線維化が進行した「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」と呼ばれていましたが、「Alcoholic (アルコール依存症)や「fatty (肥満者)」のような差別的な表現を避けるため「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患 (MASLD)」、「代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)」と名称が変更されました。

〈薬・サプリメント〉

薬やサプリメント、その代謝物質が肝臓に炎症を起こすことがあります。
また薬に対するアレルギー反応により肝臓に炎症を起こすこともあります。
薬剤性肝障害

〈免疫異常〉
  • 自己免疫性肝炎(AIH)
    本来は体に入ってきた異物を攻撃する免疫の細胞が自分の肝臓を異物とみなして抗体ができ、攻撃してしまうことで肝炎を発症します。
    中年以降の女性に発症することが多い疾患です。
  • 原発性胆汁性胆管炎(PBC)
    肝臓の中の細い胆管(肝臓で作られた胆汁が流れる管)が慢性炎症により壊され、胆汁が流れにくくなる病気です。
    中年以降の女性に発症することが多い疾患です。
  • 原発性硬化性胆管炎(PSC)
    肝臓の中と外の太い胆管が慢性炎症により壊され、胆汁が流れにくくなる病気です。
    20歳台と60歳代に発症することが多い疾患です。
    潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を合併することがあります。
検査
  • 血液検査
    肝臓の機能やウイルス感染の有無、免疫異常を調べるために血液検査が必要となります。
  • 腹部超音波検査
    肝臓の腫れや萎縮、腫瘍などの有無を調べます。
治療方法

過敏性腸症候群

  • 急性肝炎
    薬やサプリメントの副作用による場合は原因薬を中止します。
    一般的には経過が良好であり、安静にして肝臓への血流を増加させることや食事制限、点滴などの治療をすることで自然に改善していきます。
    しかし約1~2%の患者は劇症化し死に至る恐れがあり、肝臓移植が必要となることがあります。
  • 慢性肝炎
    食事や運動療法、禁酒による生活習慣の改善を図ります。
    肝臓の細胞を守る薬やB型肝炎やC型肝炎の場合は抗ウイルス薬の投与を行うこともあります。

    B型肝炎は慢性肝炎になるとウイルスを排除することは難しいと言われています。
    抗ウイルス療法によりウイルスの増殖を抑えることで肝硬変や肝がんへの進行を抑えます。
    無症候性キャリアの方は抗ウイルス療法の必要はありませんが、定期的な経過観察が必要です。

    C型肝炎は近年、内服による抗ウイルス治療が可能であり、95%以上の方が体からウイルスを排除することができます。それにより肝硬変や肝臓がんへの進行を抑えることができます。

    免疫異常の場合はステロイドや免疫抑制剤の投与が必要となります。