症状
- 急性肝炎では全身のだるさ、疲れやすさ、食欲の低下、吐き気、発熱、黄疸(目や尿が黄色くなる)、皮膚のかゆみなどの症状が出ることがあります。
- 一方、慢性肝炎では症状が出にくいものの、肝臓に炎症が生じた状態が長期間続くと肝硬変や肝臓がんに進行することがあります。 肝硬変に進行すると黄疸や足のむくみ、腹水がたまることによるお腹の張りが現れることがあります。
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その他にもEBウイルス、サイトメガロウイルスの感染により発熱や倦怠感、関節痛や筋肉痛など風邪のような症状に急性肝炎を合併することがあります。
アルコールを大量に摂取すると肝臓に脂肪が蓄積され、炎症が引き起こされることがあります(アルコール関連肝疾患ALD)。
長期にわたり大量のアルコールを飲み続けると肝硬変や肝細胞がんに進行することがあります。
大量に飲酒をしない場合でも、食生活の乱れや運動不足など生活習慣の乱れにより肝臓に脂肪が多くたまり(脂肪肝)、炎症が引き起こされることがあります(脂肪性肝疾患SLD)。
脂肪肝に加え、過体重や高血圧、糖尿病、脂質異常症などがある場合、飲酒量の違いによりMASLD(代謝性機能障害関連脂肪性肝疾患:無~少量飲酒)とMetALD(代謝機能障害アルコール関連肝疾患:中等度飲酒)と診断します。
MASLD、MetALDでは肝硬変や肝細胞がんへの進行だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの心血管系疾患のリスクが高まるため注意が必要です。
※これまでは飲酒に関連していないことから「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」やNAFLDより肝臓の炎症や線維化が進行した「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」と呼ばれていましたが、「Alcoholic (アルコール依存症)や「fatty (肥満者)」のような差別的な表現を避けるため「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患 (MASLD)」、「代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)」と名称が変更されました。
薬やサプリメント、その代謝物質が肝臓に炎症を起こすことがあります。
また薬に対するアレルギー反応により肝臓に炎症を起こすこともあります。
(薬剤性肝障害)
B型肝炎は慢性肝炎になるとウイルスを排除することは難しいと言われています。
抗ウイルス療法によりウイルスの増殖を抑えることで肝硬変や肝がんへの進行を抑えます。
無症候性キャリアの方は抗ウイルス療法の必要はありませんが、定期的な経過観察が必要です。
C型肝炎は近年、内服による抗ウイルス治療が可能であり、95%以上の方が体からウイルスを排除することができます。それにより肝硬変や肝臓がんへの進行を抑えることができます。
免疫異常の場合はステロイドや免疫抑制剤の投与が必要となります。